若手起業家インタビュー集『起業のリアル』が全然リアルじゃない件

起業のリアル

ずーみーの評価:★☆☆☆☆
読みやすさ:簡単

『起業のリアル』ってどんな本?

本のタイトルに惹かれたのとAmazon評価が高めだったので手に取った『起業のリアル』
だがしかし!残念ながら中身は「リアル」とは程遠かった。少し期待していただけにがっかり、、、(>_<)

本書は、「朝まで生テレビ」でおなじみの田原総一朗が、ポスト・ホリエモン世代の若手起業家たちと対談するという内容である。対談相手は、LINEの森川亮、リブセンスの村上太一、DeNAの守安功、フローレンスの駒崎弘樹、マザーハウスの山口絵里子など多岐にわたる。そのほかに、ホリエモン世代を代表してサイバーエージェントの藤田晋。そして最後に、特別対談として堀江貴文が登場する。

本書の良い点は、若手起業家を広く浅く知ることができる点だと思う。これを読めば、今をときめく起業家たちが、学校を卒業してから起業し現在に至るまでにどんな道のりを経てきたのかを、大雑把に知ることができる。起業家の見本市的な意味合いで読むならとてもいいだろう。この本で好みの起業家を見つけて、深く研究するきっかけにするという視点で読むならちょうど良いと思う。(※すなわちモデリング対象を見つけるということ。詳しくは「目標達成速度を20年→2時間に短縮する方法とは?」という記事を読んでほしい)

だが、冒頭でも述べたが、この本の最大の欠点は「全くリアルではない」ということである。起業のリアルを知りたいのであれば、手前味噌だが、僕がブログで連載している起業物語の方が100倍リアルだと断言することができる(笑)。

では、なぜリアルではないのかというと、インタビュアーである田原総一朗が若手起業家たちの心にまったく寄り添っていないからだ。本書からは、起業家たちの感情が見えてこないのだ。彼らが起業当初に抱いていた葛藤や、現在の苦悩など、インタビューすべき点はたくさんあったはずだが、そういう感情的価値の部分がことごとく抜け落ちている。

本書は、僕と若手起業家の真剣勝負のドキュメンタリーである。

これは前書きの言葉だが、ドキュメンタリーを200本以上作った僕から言わせれば、こんなのまったくドキュメンタリーではない。そもそも、たった一回のインタビューでドキュメンタリーを作れると思っている方が間違っている。真剣勝負もしていない。本書は、予定調和で筋書きありきのインタビュー集に過ぎないと僕は思った。

・・・かなり手厳しく書いてしまった^^;

とはいえ、読んでいて面白いと思った点もいくつかあったので、ご紹介しようと思う。

 

ホリエモンはやっぱり別格

本書のメインは若手起業家との対談だが、読んでいて一番面白かったのは、やはりホリエモンこと堀江貴文氏との対談である。

田原「ライバルは孫さん?柳井さん?」

堀江「日本にはいないですね。あえてあげるならイーロン・マスクかな」

対談の冒頭、いきなりテレビ的な質問をかましてきた田原総一朗。それに対して、田原が知らなそうな起業家の名前で応戦する堀江。

イーロン・マスクスペースXという民間ロケット会社のCEO。ホリエモンも常々宇宙ビジネスへの憧れを口にしているから、イーロン・マスクを意識しているのだろう。下にスペースXの動画を貼っておくが、かなりすごい。民間会社でこれって、アメリカはスケールでか過ぎ。しばらく動画に見入ってしまった。『起業のリアル』より面白いかも^^;

 

もう社長にはなりたくない

ホリエモンのぶっちゃけトーク。

田原「もう社長にはなりたくない?」

堀江「めんどうくさいですね。でもマネジメントがきらいになったわけじゃない。社長になると、その会社にコミットしなければいけなくなって、それしかできなくなる。それが嫌なんです」

この気持ち、分かる。

起業家はサラリーマンと違って、全ての責任を自分で負わなくてはならない。だから、中途半端に仕事に手を抜くことができなくなる。やりたいことがたくさんある堀江にとって、フルコミットの社長業は合わないということだろう。

 

興味があることは全部やりたい

堀江「興味があることは全部やりたいじゃないですか。今に限らず、ライブドアのときからそうでした。ライブドアはインターネットの会社でしたけど、証券会社や銀行もしていたし、保険会社も作ろうとしていました。あとは不動産の仲介とか、車のオークション、テレマーケティングのコールセンター、会計ソフトの会社とか、もう数えきれないくらい」

田原「僕は古い人間だから、そんなにいっぱいやったら、力が分散してうまくいかなくなる気がするんだけど」

堀江「分野は違っても、仕事のコアになる部分は同じです。プロモーションや、投資の仕方、人材の獲得の仕方だって同じ。だからいろいろやっても、力が分散するということはないです」

これを聞いたら、起業初心者は誤解してしまいそう。普通は、田原総一朗の言葉が正しい。たくさんのことをやると力が分散するから、効率が悪くなる。(=エッセンシャル思考)

ホリエモンが特別なのは、周りに動いてくれる人がたくさんいること。堀江本人は仕事のコアになる部分だけに注力しており、コアじゃない部分は人に任せていると思われる。だから、堀江的には力が分散していないのだ。取り巻きがいない起業初心者は真似しちゃダメ、絶対。

「しくじり先生」に学ぶエッセンシャル思考とは?

2017.06.22

 

ポジティブシンキングと数撃ちゃ当たる

田原「堀江さんは、7gogoでLINEを抜いてやろうとおもっているわけだ」

堀江「もちろん。これだけじゃなくて、LINEに勝てるんじゃないかというものが僕の中では10個とか20個ある。それらがいずれ何百億、何千億円の会社になると思ってやっています」

ポジティブシンキングのお手本。やはり起業家はこうじゃないといけない。

さらに、ビジネスは「数撃ちゃ当たる」という意識も大事。成功している起業家は、1回の成功の裏で10回失敗している。失敗ありきでビジネスを作り、当たったモデルを拡大するのが基本。旧時代の起業にくらべて、ITベースの起業は資本がかからないので、数を撃つことが可能なのだという側面もある。

起業家とサラリーマンの違いは「失敗」に対する考え方だ!

2017.06.15

 

藤田晋も最初は泥臭く起業した

サイバーエージェント・藤田晋の話。
アメブロ初期の頃、まだお客がいない時にどうやって集客したのか?

藤田「スタート当時は技術がまだ弱くて、ほかの部分でカバーせざるをえませんでした。それで芸能事務所へ営業して回ることに。最初は相手にされないか、もしくは非常に高い金額を要求されるかのどちらかでした。そのうちにいまケイダッシュにいる方と親しくなって、その方経由でいろいろ人を紹介してもらっているうちに、状況がかわっていきました」

起業当初の集客について、リブセンスの村上太一も同じようなことを言っている。

田原「お客さんはどうやって探していたのですか?」

村上「ひたすら電話です。『会社四季報』とか、いろいろな情報を見ながら、かたっぱしから電話していきました」

起業当初はみんな集客で苦労するものだ。僕も映像事業を始めたての頃は、片っ端からメールで営業をかけていた。反応率は100件中2件成約くらいだった。

起業初心者は泥臭く集客することを嫌いがちだが、それを乗り越えた者だけが勝利を手にすることができるのだ。

 

インターネットメディアはデザインが重要

最後に、インターネットメディアではデザインが重要という話。
まずは、サイバーエージェントの藤田晋。

藤田「今(2014年1月現在)は社員2700人のうち、6割弱がエンジニアです」

田原「やっぱり技術力は大きい?」

藤田「はい。インターネットメディアは芸能人を集めれば伸びるというほど簡単ではありません。やっぱり使いやすい、見やすいということが重要。テレビだとコンテンツが視聴率をつくりますが、ネットの場合、コンテンツの寄与する割合は大きくないです。僕の感覚でいうと、コンテンツは3割くらい。7割は技術やデザインです

LINEの森川亮(現C Channel社長)も、デザインの重要性についてこう語る。

「インターネットのビジネスが成熟してくると、人は機能よりデザインや気持ちよさでサービスを選ぶようになるという確信を持っています

この言葉に大いに共感した。

人が見たくなるブログって、デザインがしっかりしていて、そのうえでコンテンツが入っているメディアだと思う。このブログも、Wordpressテーマに1万円ほど投資している。最初は無料テーマでスタートしたが、ユーザーの気持ちを考えるとその方がいいと思ったのだ。

デザインを整えた上で、良質なコンテンツでユーザーのために愚直に価値貢献していくことが大事だと、僕は考えている。

 

まとめ

本書はタイトルとは裏腹に全くリアルではない。自分的にがっかりしたので星1つです。

まあ、起業家の見本市として読むなら程よい教材だとは思う。ただし、これを読んでも起業のアイデアが降ってきたり、儲けるノウハウが分かるわけでは決してないのでご注意を。

追記

リアルな起業話を読みたければ、僕がブログで連載中の起業物語を読んでほしい。かなり気合い入れて書いてます。(今年中に書籍化予定)

【起業物語3】なぜ僕は会社をクビになってしまったのか?

2017.05.23

ずーみーの評価:★☆☆☆☆
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映像制作ZOOMY VIDEO代表。テレビ制作会社をクビになったのをきっかけに、2年前にデジカメ1台で起業。当ブログでは、自分が起業で苦労・失敗した経験をもとに、知識0のサラリーマンが1年以内に月収50万以上稼ぐ起業家になる方法を発信中。