『魔女の宅急便』という素晴らしき起業アニメ

魔女の宅急便

『魔女の宅急便』は起業アニメである

『魔女の宅急便』は起業アニメとして素晴らしい。

このことに気づいたのは1年ほど前だ。「ジブリ祭り」でテレビ放送されたのを録画し、居間で2歳の子供とゴロゴロ観ていた時に、主人公・キキの起業家としての才能に驚いたのである。笑

それまで、『魔女宅』はただの少女の成長ストーリーだと思っていたが、実は、起業で成功するためのヒントも隠されたアニメだったのだ。そのことに、僕は起業して1年経って気づいた。今回はそんなお話。

まず、あの映画のどこが起業なの?という人のためにご説明しよう。

14歳で独り立ちしたキキは、見知らぬ港町で「空飛ぶ運送業」を開始する(=起業)。ちゃんと事務所もある。オソノが経営するパン屋(グーチョキパン店)を間借りしたのだ。

オソノのおかげで、起業初日からお客がつく(人形を無くしたりして大変だけど)。その後も、「お客が来なくて暇だ。このままおばあちゃんになったらどうしよう」と言いつつ、順調に仕事を受注していく。

これって、結構すごい実績だと僕は思う。なぜなら、起業初期の月収0なんて当たり前。僕もそれで痛い目にあってきたからだ。

ところが、キキはそういう挫折とは無縁のようである。起業してすぐさまそこそこ売り上げを立てられたキキを、僕は起業家として素直に尊敬したい。

 

キキが起業で成功できた3つの理由

では、なぜキキは起業で成功できたのか?

その理由は、「空を飛べたから」以外に3つある。

 

①「自分ができること」ではなく「他人の悩み」を解決しようとしたから

魔女の宅急便

©️スタジオジブリ

キキが運送業を始めようと思ったきっかけは、「空を飛べたから」ではなく、身重のオソノに代わって忘れ物を届けるため、自分の能力を使ったからだ。そこには「他人の悩み」が介在した。

こういう起業は成功する可能性が高い。なぜなら、同じような悩みを持った顧客が現実世界にたくさん存在する確率が高いからである。

では、「自分ができること」で起業してしまうとどうなるか?

たとえば、僕は以前、「終活ビデオ」というサービスで起業したことがある。どんなサービスかというと、会社を引退したシニア層向けに、人生の振り返りドキュメンタリービデオを作るというものだった。なぜこのサービスを始めたかといえば、僕に映像を作る能力があったから、ただそれだけである。

ところが、このサービスはまったく集客することができなかった。なぜなら、世の中には自分のドキュメンタリーを作ってほしいと悩んでいる人なんていなかったからだ。

当時を振り返ってみると、「こんなサービスなら欲しいと思う人がいるに違いない」という独りよがりな思い込みがあった。だが、現実世界にはそんな顧客はまったく存在しなかったのだ。

このように、「自分ができること」で起業してしまうと、痛い目をみることが多い。あなたも、起業で成功したいなら、「自分ができること」ではなく「他人の悩み」を解決することを考えよう。

ちなみに、このブログが最近悩み解決系コンテンツに力をいれているのは、そうした理由からである。

 

②思い立ったらすぐ行動したから

魔女の宅急便

©️スタジオジブリ

キキは起業家に欠かせないある素質を持っている。それは「行動力」だ。

キキが起業したのは、オソノに代わって忘れ物を届けた翌日のことである。朝からパジャマを着替える間も無く、運送屋として電話回線を引くために行動を開始する。

ここで、起業家を目指す全ての人に覚えておいてほしい言葉をご紹介しよう。

「Ready,Fire! And Aim.」(撃て!狙え)

これは軍隊の射撃で使う言葉だ。「撃ってから狙え」という意味である。

素人の考えでは「狙ってから撃つ」のが当たり前だと思うが、それでは遅いのだ。実戦で射撃を成功させるためには、一度撃ってから誤差を修正しながら狙いを定めたほうが、敵を殺傷できる可能性が高いのである。

起業もそれと同じだ。起業で成功する人というのは、「撃ってから狙う人」である。そういう人は、とにかく一度行動してみて、失敗しながら誤差を修正していく。

彼らは、何も行動を起こさない人たちよりも、学ぶスピードが100倍も1000倍も早い。なぜなら、普通の人が起業で1回失敗する間に、彼らは10回も20回も失敗しながら学んでいくからだ。そして、経験を積めば積むほど、あまり「変な」起業をしなくなる。さらに、そもそも試行回数が多いので、彼らの起業成功率は高くなる傾向にあるのだ。

 

③ライスワークがあったから

魔女の宅急便

©️スタジオジブリ

もうひとつ、キキが成功できた大きな要因は、「パン屋の店番」というライスワーク(ご飯を食べるための仕事)があったからだ。

多くの起業家が5年以内に廃業してしまうのは、「食えなくなるから」である。

当然のことながら、人間が生きていくためには、最低限の食費・家賃・光熱費・医療費・税金などがかかる。その額は、地方なら月10万円程度。東京だと月20万円前後だろうか。失敗する起業家の多くは、そういう「維持費」を支払えなくなるので廃業に追い込まれるのである。

一方、キキは1日数時間の店番さえしていれば、家賃と食事を保証されていた。これは駆け出し起業家にとって理想的な環境だ。ライスワークさえしていれば生きていくことはできるのだから、まさに「失敗しようのない起業」だと言えるだろう。

以上が、キキが起業で成功できた3つの要因である。

 

キキの事業を改善するなら?

最後に、キキの事業を改善するにはどうすればいいかを考えてみたい。

この事業の一番のネックは、全てを社長本人の肉体労働に頼っている点である。以前も書いたが、こういうビジネスモデルはあまり儲からない。

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では、どうすればいいかというと、改善策は2つある。

 

①高単価・高付加価値路線

映画の中で、キキはせっかくの「空を飛ぶ」という付加価値をあまり生かしていないように見える。届け物の際に、魔女が飛んでくるのを目撃する人数が少なすぎるのだ。たとえば、アパートに荷物を届ける場面では、完全に飛ぶことを放棄している。

魔女の宅急便

©️スタジオジブリ

僕だったら、「魔女が来た」という感動を顧客にもっと味わってほしい。そのため、もう少しイベント系事業にシフトして、高単価・高付加価値路線を目指すのがいいと思う。

たとえば、プロポーズや結婚式で指輪を空から運んだり、誕生日パーティーでケーキが空から降りてきたり。魔女が地上に降り立つ瞬間をうまく演出すれば、顧客にとって生涯忘れられない思い出になるだろう。値段が少々高くても顧客は納得するはずだ。

 

②パン屋とジョイントベンチャー(JV)する

もうひとつ有力な改善策は、パン屋とのジョイントベンチャー(JV)である。キキはオソノと協力して、焼きたてパンのデリバリー事業を始めてはどうか。

この事業の問題点は、1回の飛行で運べる量が限られていることだ。大きな荷物や重い荷物を運ぶのには向いていない。だが、その点、パンなら軽いので一度にたくさんの量を運ぶことができる。

オソノにとってもメリットは大きい。魔女が空を飛びながらパンを運んでいれば、お店のいい広告になるはずだし、これまでより販売地域を拡大することもできる。お年寄りや病人など、なかなか外出できない人に焼きたてパンを届けることもできるだろう。

このように、お互いにウィンウィンの関係になることができるので、パン屋とのJVはぜひオススメしたい。

 

以上が、『魔女の宅急便』を観て僕が感じていることである。あなたも、次にこの映画を観るときには、ぜひ「起業とは何か?」について考えながら観てほしい。

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1 個のコメント

  • これまたすごくひきつけられるばかりか、とても勉強になりました。
    起業、で「マジョタク」を見たことがなかったので、本当に新鮮でした。
    本当に様々な角度で物事を見られる方なのですね!
    とてもうらやましいです。

    それもありますけど、起業、ばかりでなく、普通に仕事をしていても、とてもプラスになる視点を教えていただきました。
    ビジネスにはいろいろな理論等もありますけど、つまるところ、相手は「人」
    であれば、どう「人」にプラスになるようなことをするのか?
    という点がポイントになる、ということですね!
    そして、すぐ活動に移すこと!
    さらに、「コンサル」までされていて、本当に勉強になります!

    軌道に乗るまでは本業等できちんと基盤を確保し、徐々に副業へシフトしていく、という戦略のイメージが具体的に浮かぶような文章です。
    ありがとうございます。

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    映像制作ZOOMY VIDEO代表。テレビ制作会社をクビになったのをきっかけに、2年前にデジカメ1台で起業。当ブログでは、自分が起業で苦労・失敗した経験をもとに、知識0のサラリーマンが1年以内に月収50万以上稼ぐ起業家になる方法を発信中。