今回は、DeNA創業者の南場智子さんが書いた『不格好経営』を紹介します。
本書を、僕はなんの前知識もなく読み始めたのですが、とにかく面白かったです。
3分の1ほど読んだ頃には、すっかり南場さんとDeNAのファンになってしまいました。笑
本書で僕が特に勉強になったのは、失敗からの立ち直り方と組織論です。
これから起業を目指す人は、絶対に読むべき本だと思いました。
ここからは、『不格好経営』の著者・南場智子さんの略歴や、本書の見どころをご紹介します!
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DeNA創業者・南場智子の経歴
『不格好経営』は、DeNA創業者・南場智子さんの「自伝」であり、なおかつ「社史」と言ってもいい内容です。
ここで、南場さんの経歴を簡単にご紹介します。
南場智子さんは、1962年生まれ、新潟県出身。
非常に厳格な父親のもとで育ち、父親から逃げるように東京の津田塾大学に進学。
大学の先輩に誘われ、「コンサルってなんですか?」という状態で戦略コンサルの大手・マッキンゼーに入社。
上司は、かの有名な経営コンサルタント、大前研一だったそうです。
入社当初はダメ社員で、仕事から逃げるために海外へMBA留学。
帰国後、人前で自分の弱さを素直に出せるようになったのがきっかけとなり、仕事でメキメキと頭角をあらわしました。
その後、マッキンゼーの同僚、紺屋勝成氏と結婚。
コンサルタントとしてぶいぶい言わせていた1999年、「日本でインターネットオークションサイトを始めたら儲かるのでは?」と思いつき、仲間と脱サラしてDeNA設立。
『不格好経営』では、DeNA創業時から、南場さんが夫の看病のため社長を退任した2012年頃までが語られます。
『不格好経営』の最大の見どころ
『不格好経営』の最大の見どころは、創業時のドタバタ劇です。
南場さんは、当時を次のように回想しています。
それにしても、マッキンゼーのコンサルタントとして経営者にアドバイスをしていた自分が、これほどすったもんだの苦労をするとは・・・
エリート集団のくせして、失敗のフルコースを引き起こす彼らのエピソードはかなり笑えました。
同時に、「起業家は失敗したときが真の勝負だ」というメッセージを受け取った気がします。
私は、苦しいときにふたつのことを意識する。
ひとつは、とんでもない苦境ほど、素晴らしい立ち直り方を魅せる格好のステージだと思って張り切ることにしている。
そしてもうひとつは、必ず後から振り返って、あれがあってよかったね、と言える大きなプラスアルファの拾い物をしようと考える。
うまくいかないということは、負けず嫌いの私には耐えがたく、単に乗り越えるだけでは気持ちが収まらない。
おつりが欲しい、そういうことだ。
転んでもタダでは起きないど根性。
僕は南場さんのこの考え方にとても共感したのですが、あなたはどうでしょう?
本書で南場さんが語る「失敗からの立ち直り方」は、とても説得力があったので、ぜひあなたも読んでみてください。
続いて、経営コンサルタントだった南場さんが起業した理由について。
愚かなおごりもあった。
自分が経営者だったらもっとうまくできるんじゃないだろうか。
なんでもっと思い切った改革ができないのか。
なぜ中途半端に実施するんだ。私だったら・・・。
もしそんなふうに感じているコンサルタントがほかにもいたら優しく言ってあげたい。
あなたアホです。ものすごい確率で失敗しますよ、と。
マッキンゼーではトップ成績だった南場さんですが、起業後はとても苦労したそうです。
なぜ南場さんが苦労したかというと、いきなり組織を作ってしまったからです。
「組織化」は起業家として求められるレベルが高いので、起業初心者は注意してください。
では、起業初心者は何から始めればいいのか?
それについては、次の記事で解説しています。
DeNAを成功に導いた「組織論」とは?
起業していきなり「組織化」に取り組んだ南場さんは大変苦労しましたが、あるルールのもとに組織を作った結果、大成功しました。
そのルールとは・・・
仲間を増やそう、ということで、川田とナベにひとりずつ連れてくるように言った。
条件はたったひとつ。自分より優秀なヤツ。
凡庸な起業家は、使い勝手のいい子分ばかり集めてしまうので成功しません。
一方、南場さんは、自分より優秀な仲間を選び続けたことで成功しました。
そんな南場さんの組織論は、次の一節に集約されています。
DeNAの競争力の源泉は、とよく訊かれるが、答えは間違いなく「人材の質」だ。
人材の質を最高レベルに保つためには、①最高の人材を採用し、②その人材が育ち、実力をつけ、③実力のある人材が埋もれずにステージ乗って輝き、④だから辞めない、という要素を満たすことが必要だ。
離職率は創業当時から低く、その点で苦労したことはないが、採用はものすごいド根性で社をあげて取り組み続けることで高い質を維持している。
私も年間30回の新卒向け会社説明会をすべて自分で行うなど、率先して膨大な時間を使ってきた。
社長退任後の現在も一番大事な仕事として取り組み続けている。
まとめ
以上、南場智子著『不格好経営』の簡単なご紹介でした。
これから起業する人は、創業時の苦労や成功を疑似体験できますので、ぜひ読んでみてください^^
南場さんの「転んでもタダでは起きないど根性」に、私も とても共感しました。とんでもない苦境が素晴らしい立ち直り方を魅せる格好のステージであること、また、後から振り返った時に必ず大きなプラスアルファの拾い物をすること、どちらも宇宙の法則にありますね。こうやって実践に次ぐ実践で身をもってつかんでいくもので、真理だ法則だっていうのは、南場さんのように使いこなしてこそナンボだと思いました。
優秀な仲間を選び続けることや現場での連続失敗について、加藤将太さんによる池本克之さんへのインタビューを思い出しました。加藤さんの「採用か、教育か?」の質問に、池本さんも採用と答えてみえました。加藤将太さんも経営するコンサルタントだから、私には 読み物としておもしろい南場さんの苦労話も、肌感覚で「そーなんだよ!」って頷かれるんだろうなと想像しました。
「苦しい時ほど素晴らしい立ち直りで魅せることができる」
「その経験が後々活きてくる」
この考えがとても心に残りました。
苦しい場面でも、「ここが踏ん張りどころだ」と思ってやりきりたいと思います!