『魔女の宅急便』は起業アニメとして素晴らしい。
そのことに気づいたのは4年ほど前です。
当時、「ジブリ祭り」でテレビ放送されたのを録画し、居間で2歳の子供とゴロゴロ観ていた僕は、主人公・キキの起業家としての才能に驚きました。
それまで、『魔女宅』はただの少女の成長ストーリーだと思っていましたが、実は、起業で成功するためのヒントも隠されたアニメだったのです。
そのことに、当時起業して2年目だった僕は気づいたのです。
今回は、僕の大好きな映画『魔女の宅急便』を、起業家という視点で考察します。
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詳しい目次
『魔女の宅急便』のどこが起業アニメなの?
『魔女の宅急便』のどこが起業アニメなの?
という人のために、まずは簡単にご説明しましょう。
13歳で独り立ちしたキキは、見知らぬ港町で、「空飛ぶ運送業」を起業します。
事務所は、たまたま知り合ったオソノが経営する、見晴らしの良いパン屋の一角です。
普通、起業したばかりのころは、集客で苦労するものですが、キキは違いました。
オソノの助けもあり、起業初日からお客がつきます。(人形をなくしたりして大変ですけど。笑)
その後も、「お客が来なくて暇だ。このままおばあちゃんになったらどうしよう」と愚痴をいいつつ、順調に仕事を受注していくキキ。
これは、客観的にみても、「起業成功」といって良いでしょう。
初めての起業ですぐに売上を立て、空飛ぶ運送業の経営を軌道に乗せたキキを、僕はひとりの起業家として、素直に尊敬します。
⇒あらすじを知りたい人はこちら:魔女の宅急便(Wikipedia)
キキが成功できた3つの理由とは?起業家の視点で考察!
では、なぜキキは起業で成功できたのでしょうか?
起業家の視点で考察すると、キキが成功できた理由は「空を飛べたから」以外に3つあります。
- 「他人の悩み」を解決しようとしたから
- 思い立ったらすぐ行動したから
- ライスワークがあったから
①:「他人の悩み」を解決しようとしたから
キキが運送業を始めたきっかけは、「空を飛べたから」ではありません。
身重のオソノに代わって忘れ物を届けるため、自分の能力を使ったのがきっかけです。
そこには、「他人の悩み」がありました。
こういう起業は、成功する可能性が高いです。
なぜなら、同じような悩みを持った顧客が、現実世界にたくさん存在する確率が高いからです。
では反対に、「自分ができること」で起業すると、どうなるのでしょうか?
たとえば、僕は以前、「終活ビデオ」というサービスで起業したことがあります。
どんなサービスかというと、定年退職したシニア層向けに、人生の振り返りドキュメンタリービデオを作るというものでした。
なぜ僕がこのサービスを始めたかというと、映像を作る能力があったから、ただそれだけです。
ところが、このサービスは、まったく売れませんでした。
なぜなら、世の中には、自分のドキュメンタリーを作ってほしいと悩んでいる人なんて、ひとりもいなかったからです。
このように、あなたが「自分ができること」で起業してしまうと、高い確率で失敗します。
ですから、あなたが起業で成功したいなら、「他人の悩み」を解決するようにしましょう。
なお、今の話は、次の記事でもっと深掘りしています。
②:思い立ったらすぐ行動したから
キキは、成功する起業家に欠かせない、ある大切な素質を持っています。
その素質とは、「行動力」です。
キキが起業したのは、オソノに代わって忘れ物を届けた翌日のことでした。
朝からパジャマを着替える間も無く、運送屋として電話回線を引くために、行動を開始します。
これって、けっこうすごい行動力だと僕は思います。
ここで、起業家を目指す全ての人に覚えておいてほしい言葉をご紹介しましょう。
「Ready,Fire! And Aim.」(撃て!狙え)
出典:次世代起業家育成セミナー
これは、軍隊の射撃で使う言葉だそうです。
和訳すると、「撃ってから狙え」という意味です。
「狙ってから撃つ」のは、素人の考えです。
「撃ってから狙う」のが、プロの仕事です。
なぜ撃ってから狙うのかというと、一度撃ったあとに誤差を修正しながら狙いを定めたほうが、命中する確率が高まるからです。
起業もこれと同じです。
起業で成功しやすいのは、「撃ってから狙う人」です。
そういう人は、とにかく一度行動してみて、失敗しながら誤差を修正していきます。
彼らは、何も行動を起こさない人たちよりも、学ぶスピードが100倍も1000倍も早いです。
なぜなら、普通の人が起業で1回失敗する間に、彼らは10回も20回も失敗し、失敗しながら学ぶからです。
そしてその結果、彼らは誰よりも早く起業で成功します。
このように、あなたが起業で成功するためには、ごちゃごちゃ考えるよりも先に、とにかく一度行動してみることも大切です。
③:ライスワークがあったから
キキが起業で成功できた3つ目の理由は、「パン屋の店番」というライスワーク(ご飯を食べるための仕事)があったからです。
95%の起業家が5年以内に廃業するといわれますが、その理由は、「食えなくなるから」です。
人間が生きていくためには、最低限の食費・家賃・光熱費・医療費・税金などがかかります。
その額は、地方なら1人当たり月10万円程度、東京だと月20万円程度でしょうか。
ライスワークを持たない駆け出し起業家は、事業がうまくいかないと、生きていくための維持費を払えなくなるので、時間の問題で廃業に追い込まれてしまいます。
一方、キキは、1日数時間の店番さえしていれば、部屋と食事を保証されていました。
これは、駆け出し起業家にとって理想的な環境です。
ライスワークさえ続ければ、空飛ぶ運送業がどれだけ儲からなくても食べていけるのですから、まさに「失敗しようのない起業」だといえるでしょう。
キキの「空飛ぶ運送業」を改善するには?
最後に、キキの「空飛ぶ運送業」を改善するには、どうすればいいかを考えてみましょう。
この事業の一番のネックは、全てを社長本人の肉体労働に頼っている点です。
こういうビジネスモデルは、あまり儲かりません。
では、どうすればいいかというと、改善策は、次の2つです。
- 高単価・高付加価値路線
- パン屋とジョイントベンチャー(JV)する
改善策①:高単価・高付加価値路線
映画の中で、キキは、せっかくの「空を飛ぶ」という付加価値を、活かしきれていないようです。
どういうことかというと、届け物の際に、魔女が飛んできた姿を目撃する人が少なすぎるのです。
たとえば、アパートに荷物を届ける場面では、完全に飛ぶことを放棄しています。
アパートの中でも、飛んで荷物を運べばいいのに・・・(^^;
僕だったら、「魔女が来た」という感動を、顧客にもっと味わってほしいと考えます。
そこで、改善策としてキキに提案したいのは、イベント系事業にシフトして、高単価・高付加価値路線を目指すことです。
たとえば、魔女が結婚式で指輪を空から運んだり、誕生日パーティーでケーキを空から運んだりなんてどうでしょうか。
このような付加価値をつければ、値段が少々高くても、顧客は納得するはずです。
なお、これから起業する人は、基本的に、高単価・高付加価値路線を目指しましょう。
低単価路線は、資本力のある大企業がとる戦略です。
あなたに何億円もの資本金があるなら別ですが、資本力のない個人が起業する場合、大企業と同じことをしては、勝ち目がありません。
高単価・高付加価値路線は、資本力のない弱者の戦略ですので、ぜひ覚えておいてください。
改善策②:パン屋とジョイントベンチャー(JV)する
もうひとつ有力な改善策は、パン屋とのジョイントベンチャー(JV)です。
キキは、オソノと協力して、焼きたてパンのデリバリー事業を始めてはどうでしょうか。
現在のキキの事業の問題点は、大きな荷物や重い荷物を運ぶのに向いておらず、1回の飛行で運べる量も限られていることです。
その点、パンなら軽いですし、一度にたくさんの量を運ぶこともできます。
また、このJVは、オソノにとっても大きなメリットがあります。
魔女が空を飛びながらオソノの店のパンを運べば、とても良い宣伝になりますし、販売地域を拡大することもできます。
お年寄りや病人など、なかなか外出できない人に、焼きたてパンを届けることも可能です。
このように、お互いにウィンウィンの関係になることができるので、パン屋とのJVは、ぜひおすすめしたい改善策です。
まとめ
以上が、起業アニメ『魔女の宅急便』を観て、僕が考察したことでした。
あなたも次にこの映画を観るときは、ぜひこういう視点でも観てくださいね。
きっと、『魔女の宅急便』をもっと好きになるはずですよ^^
こんにちは!
とても面白かったです!
『魔女の宅急便』は、私も大好きなジブリ作品の1つですが、そのような視点で観ることができるとは…
次世代の特別編の大阪第3章で、ゲストの方がお話をされた後、加藤さんが「彼は僕の視点を手に入れた」(確かこのような事を仰っていたと思います、が違ってたら申し訳ございません。)と言っていたのを思い出しました。
ずーみーさんの起業家としての視点、素晴らしいと思いました。
私も、たくさん勉強して起業家としての視点を手にいれたいと思います!
ずーみーさん、こんにちは!
『魔女の宅急便』を素晴らしき起業アニメとしてとらえた視点、
とても勉強になりました。
次世代5部作で習ったことが、分かりやすく復習できました。
僕も、ずーみーさんのような視点で物事を見ることが出来るように
精進します。
ありがとうございます。
高単価・高付加価値路線は、資本力のない弱者の戦略高付加価なのですね。
その戦略に乗っかって成功したいです。
「魔女の宅急便」を起業の説明題材に使用することの以外性に楽しく、
勉強できました。
・悩み解決 ・・・鉄則ですね。
・「Ready,Firel And Aim」 撃ってから狙う行動
・・・大好きな動きです。かっこいいです。
・ライスワーク=失敗しようがない起業
・・・起業においてのライフラインの確保
・高単価、高付加価値路線を目指す。
・・・もちろん、ねらい目です。
・ジョイントベンチャーの提案
・・・この運送業のベンチャーは現代のコロナ禍に必要です。
とても、勉強になりました、感謝します。ありがとうござういます。
私は「魔女の宅急便」に興味があり数回見ました。ずーみー様の説明により、みごとに起業の基本原則を取り込んだ作品だとわかりました。アニメを企画した人は偶然ではなく、最初から成功の条件を整理し、この話を創作したのだと思います。その結果が見る人を感動させ第13回日本アカデミー賞話題賞他になったと思います。「一流の才能を身に付けた人が一流の結果を残せる。」ならば、本講座のテーマに戻り、「高度な起業センスが有れば起業して成功する。」と気づき希望が持てます。
ずーみーさん
加藤翔太さんのメルマガから、飛んできました!何気ないジブリアニメだと思っていましたが、こんなに奥が深いとは。
大企業と争わない、という点は加藤さんもおっしゃっていましたし、私も高付加価値路線を考えていきます。
また、ライスワークを持っておく、という点も大事ですね!
魔女の宅急便という映画を、ビジネスという切り口で見てみるというのがとても斬新でした。
ビジネスの事をしっかり学んでいくと、こういった身近な映画からも勉強する事ができるという事を実感しました!
ずーみーさん、いつもありがとうございます!
他人の悩みを解決する、
という視点がやはり大事ですね!
そのために多くの人が悩んでいる事や、
お店に足を運んでくれる人達がどんな事で
悩んでいるのかを知ることがすごく重要だと感じました。
ずーみーさん。こんにちは。
「魔女の宅急便」このアニメは何年頃のアニメでしたか?私も見ていた記憶はあります。アニメはあまり見ないのですが、これは何度か見て”面白い”と思ったのは覚えています。
このアニメに起業のノウハウが入っていたなんて思いも寄らない衝撃です。しかも、問題点と改善点を”コンサル”して頂き、起業や問題点が発生した時の解決案が記されていて勉強になりました。
これまたすごくひきつけられるばかりか、とても勉強になりました。
起業、で「マジョタク」を見たことがなかったので、本当に新鮮でした。
本当に様々な角度で物事を見られる方なのですね!
とてもうらやましいです。
それもありますけど、起業、ばかりでなく、普通に仕事をしていても、とてもプラスになる視点を教えていただきました。
ビジネスにはいろいろな理論等もありますけど、つまるところ、相手は「人」
であれば、どう「人」にプラスになるようなことをするのか?
という点がポイントになる、ということですね!
そして、すぐ活動に移すこと!
さらに、「コンサル」までされていて、本当に勉強になります!
軌道に乗るまでは本業等できちんと基盤を確保し、徐々に副業へシフトしていく、という戦略のイメージが具体的に浮かぶような文章です。
ありがとうございます。