マーケティングの勉強をしている人なら、LTV(ライフタイムバリュー)という単語を一度は聞いたことがあると思います。
あなたがLTVを理解すると、次のメリットがあります。
- ビジネスを安定して黒字化できる
- 戦略的に広告予算を投入できるので、事業の拡大スピードが上がる
この記事では、LTVの3つの計算方法と、LTVを最大化させる方法について解説します。
特に起業初心者の方は、LTVを理解すれば起業成功率がグッと上がりますので、ぜひ頑張ってついてきてください!
詳しい目次
LTV(ライフタイムバリュー)とは?
LTVとは、Lifetime Value(ライフタイムバリュー)の略です。
日本語に訳すと、「顧客生涯価値」という意味です。
あるお店に対して、ひとりのお客さんが生涯に支払ったお金の合計額が、LTVです。
たとえば、あなたが2年間通い続けている美容院があったとします。
毎回のカット代が5000円で、3ヶ月おきに通うとすると、今までのLTVは4万円になります。
計算式:5000×(12×2÷3)=40000(円)
LTVを算出するメリット
経営者がLTVを算出する最大のメリットは、お客さんを一人獲得するために使える金額(=新規顧客獲得単価)を明確にできることです。
なぜかというと、次の式を見てください。
LTV > 新規顧客獲得単価 + 顧客一人当たり固定費
公式の左側(LTV)が収入で、右側(新規顧客獲得単価+顧客一人当たり固定費)が支出です。
収入が支出を上回れば、黒字になりますよね。
LTVと顧客一人当たり固定費(お店の家賃や人件費など)を算出すれば、赤字にならないギリギリまで広告費(=新規顧客獲得単価)を使えるので、事業の拡大スピードが上がります。
LTVの3つの計算方法
LTVの計算方法は、ビジネスモデルによって変わります。
ここでは、よく使われる3つの計算方法を解説します。
①:リピート商材のLTVの計算式
1つ目は、リピート商材のLTVの計算方法です。
ECサイトでの通販(健康食品など)や、飲食店のLTVを算出するときに使えます。
LTV = 平均顧客単価 × 平均購入頻度 × 平均継続期間
たとえば、あなたが喫茶店を経営するとします。
平均顧客単価が500円、平均購入頻度が月5回、平均継続期間が6ヶ月だとすると、お客さん一人あたりのLTVは15000円になります。
計算式:500×5×6=15000(円)
②:BtoB商材のLTVの計算式
2つ目は、BtoB商材のLTVの計算方法です。
企業などを相手に年間契約をするビジネスモデルで使えます。
LTV = 顧客の年間取引額 × 収益率 × 顧客の継続年数
たとえば、企業相手に年間50万円のサービスを提供する税理士の場合。
収益率が80%、顧客の継続年数が5年だとすると、LTVは200万円になります。
計算式:500000×0.8×5=2000000(円)
③:サブスク型商材のLTVの計算式
3つ目は、サブスク型商材のLTVの計算方法です。
月額会費制のビジネスモデルや、美容室・整骨院などの接客業でも使えます。
LTV = 平均顧客単価 × 100/失客率
失客率(=解約率)とは、100からリピート率(=継続率)を引いた数字のことです。
失客率 = 100 − リピート率
また、リピート率の計算方法は以下です。
月間リピート率 = 月間リピート顧客数 ÷ 累計新規顧客数 × 100
たとえば、あなたが美容室を経営しているとします。
美容室のリピート率は一般的に40%なので、失客率を60%、平均顧客単価を6000円とした場合、LTVは1万円になります。
計算式:6000×100/60=10000(円)
LTVを最大化させる方法とは?
ここまでは、LTVの3つの計算方法を解説してきました。
あなたのビジネスモデルに適した計算方法は見つかったでしょうか?
LTVの計算方法が決まれば、あなたがLTVを最大化するためにすべきこと(=収益を増やすためにすべきこと)も自然と導くことができますよ。
リピート商材の場合 |
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BtoB商材の場合 |
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サブスク型商材の場合 |
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これらの中で特に面白いのは、サブスク型商材のLTVです。
サブスク型商材では、失客率を下げる(=リピート率を上げる)と、LTVが倍々ゲームで増えていきます。
たとえば、リピート率50%の美容院があったとします。
その美容院がリピート率を75%に改善すると、LTVは2倍にアップします。
LTVを最大化させた美容院の事例
僕は、LTVを最大化させた、ある美容院の事例を知っています。
一般的な美容院の平均顧客単価は5000〜6000円、リピート率は40%と言われる中、その美容院は、平均顧客単価19000円・リピート率95%を実現している、とんでもないお店です。
その美容院のLTVを計算すると、なんと38万円!
計算式:19000×100/5=380000(円)
つまり、あなたがこの美容院のオーナーなら、新しいお客さんがひとり来店するごとに、「チャリーン」と38万円儲かった気分になるということです。
すごいですよね。
まとめ
今回は、LTVの3つの計算方法と、LTVを最大化させる方法について解説しました。
LTVを使えるようになれば、ビジネスの成功率が上がります。
あなたもぜひマスターしてくださいね!
なお、次の記事で起業初心者が勉強すべき内容を解説しているので、ぜひ参考にしてください!
LTVとは、ライフタイムバリューの略で顧客生涯価値のこと。
お客さんが生涯で自分の店にいくらお金を落とすかのこと。
LTVを算出する一番のメリットは、新規顧客獲得単価(支出)がLTV(収入)を超えなければ自分の事業を黒字に維持しつつ最短で事業を拡大できるところ。
LTVを最大化する方法は、LTVを算出する計算式に隠れている。
この計算式の中の構成要素をそれぞれ伸ばせばLTVは倍々ゲームで増えていく。
なのでそれぞれの構成要素がどうやったら伸びていくかを考えて実行すればLTVは最大化できる。
LTVについて学べて良かったです。
自分が将来稼ぐ時をイメージしながら楽しく、少しニヤニヤしながら読ませて頂きました。
今回教えて頂いた黒字経営の公式と自分がやるビジネスのLTVの式を駆使していきます!
今日も本当にありがとうございました!
時短起業するためには、仮説をたてるのが重要というのは次世代セミナー(特別編)で学びましたが、そこにLTVを含める必要があると感じました。
また、ずーみーさんの記事を読むと、ブログの導線の作り方がすごく参考になります。私は家事や育児がらみの簡単なDIY系(たまに暮らしのお役立ち情報)ブログを運営しており、アフィリエイトはAmazonや楽天がメインですが、ずーみーさんの導線の作り方も参考に作り替えたいと思います。
Yukinaさん、こんにちは!
コメントをいただきありがとうございます。
ブログの導線も含め、ご参考になったようで嬉しいです^^
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
どんぶり勘定では、いつまでたっても経営が改善しない理由が、よく分かりました。数字を把握すれば つかめる安心感はありがたいし大事だと思いました。こういう原理原則を使いこなしていけば、だんだん必要な勘や「先が見える」感覚も発達していくのではと思えました。
律さん、こんにちは!
コメントをいただきありがとうございます。
数字を把握しない経営は、目隠しで車を運転しているのと同じです。
危険すぎるので絶対にやっちゃダメですよ^^;
数字を把握して、安全運転でいきましょう!
ずーみー先生
こんばんは。LTVやっと学べました。
やはり、リピートをしてもらうことは
長期で考え方だ場合、かなりの金額を
受け取れるわけですから、非常に重要なんですね。
私はリピートするお店の共通点があります。
美容院も、洋服店も、カフェも店員さんの
人柄です。少々高かろうが、感じのよさ、気配りのできるお店とわかれば、行きつけとなります。
ブログもきっと同じなんでしょうね。
ずーみーさん、
今回もわかりやすい説明ありがとうございました。
いつも、ノートを取りながら、拝読させていただいていますが、
今回は、実際に自分で計算して、理解を深めました。
一度、さらっと読んだだけでは、覚えられないかもしれませんが、
自分で解いてみるとわかりやすいですね♪
途中から、学生時代の、数学(算数?)の問題を解いている気分になりました”笑
(こういう計算は、日常生活ではあまりしないので、)程よく、脳の運動にもなり、面白かったです。
ありがとうございました!
ずーみーさん、こんにちは!
LTVは、まだ良く理解できていません。
何回も読み直して腑に落とします。
ありがとうございます。
いつも学びをありがとうございます。
LTVについてとても勉強になりました。
数字を当てはめると結果こうなるというのは理解できたのですが、実際はこんなに数字通りにうまくいくのかとなんだか疑ってしまいます。
勉強あるのみですね!
ずーみー様
とても分かりやすく解説して下さってありがとうございます。どんな場合も、
顧客獲得コスト➕経費
平均顧客単価×失脚率
の数字のバランスを丁寧に見ていくことなのですね、、、とても勉強になります。
成功する起業家の方々は、こんな事をお考えだったのですね。私も頑張れる気がしてきました。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
ずーみーさんへ
私は起業にこのような公式を当てはめて黒字経営へ
持っていく、たんたんとした商いがあるとは知りませんでした。このシビアな計算(数字のゲーム)で黒字に出来れば
破綻だとか、倒産だとかから無縁になりますね。
実の数字が数字のゲームのように実績を奏でるのであれは素敵な起業となります。
また、どこが原因で黒字にならないのかとのことも公式に当てはめることで明確になりますね。
世の中の経営者が全てこのように経営しているとは思えません。ずーみーさんのご説明でかなり、信憑性がましました。