あなたは、「ニーズ」と「ウォンツ」というマーケティング用語を知っていますか?
「この商品にはニーズがある」のように使われるのを、あなたも聞いたことがあると思います。
でも、「ウォンツ」という言葉には、あまりなじみがないのではないでしょうか。
ニーズとウォンツは、どちらも顧客の「欲しい」という願望をあらわすマーケティング用語ですが、似て非なるものです。
実は、ニーズとウォンツの違いを正しく理解することは非常に重要です。
なぜなら、「ニーズ満たし型ビジネス」は現代日本では儲からないからです。
今回はマーケティング初心者向けに、ニーズとウォンツの違いや、現代日本で本当に儲かるビジネスとは何かについて解説します。
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詳しい目次
ニーズとウォンツの違い
ニーズとウォンツの違いとは何なのでしょうか?
その定義には諸説ありますが、マーケティング初心者にぜひ覚えてほしい定義は以下です。
- ニーズ:〇〇が足りないから欲しい
- ウォンツ:〇〇という状態が欲しい
出典:次世代起業家育成セミナー
ニーズとは「〇〇が足りないから欲しい」という願望のこと
ニーズとは、「〇〇が足りないから欲しい」という願望のことです。
ニーズが生まれる場所として一番わかりやすい例は、高度経済成長期の日本です。
今から約70年前、日本は戦争に負けて焼け野原になりました。
そういう「モノがないところ」にニーズは生まれます。
高度成長期の日本人は、「モノが足りないから欲しい」といつも思っていました。
だから、どんな商品でも作ればバカみたいに売れました。
1960年代に日本が年10%も急成長できたのは、どこにもモノがなさすぎて、作れば作るだけ売れたからです。
こういうビジネスのことを、「ニーズ満たし型ビジネス」といいます。
しかし、ニーズ満たし型ビジネスの時代は、長くは続きませんでした。
先人たちの努力の結果、あっという間に日本はモノであふれかえるようになり、成長率は年1%まで落ちました。
今の日本が不況なのは、日本中にモノがあふれてニーズがなくなったからです。
ウォンツとは「〇〇という状態が欲しい」という願望のこと
一方、ウォンツとは「〇〇という状態が欲しい」という願望のことです。
たとえばダイエットだと、10キロ痩せた状態になりたい。
婚活だと、愛する人と結婚した状態になりたい。
受験だと、志望校に合格した状態になりたい。
このような人間のウォンツを刺激できれば、ニーズが満たされている現代日本でも、顧客に「欲しい」と思わせることができます。
こういうビジネスのことを、「ウォンツ創出型ビジネス」といいます。
人間はウォンツに対して喜んで大金を払います。
どれくらい大金を払うかというと、「◯円払ってでもその状態になりたいと考える10分の1」くらいなら余裕で払います。
たとえば、あなたが「100万円払ってでも10キロ痩せたい」と思っているなら、10万円くらい余裕で払いますよね?
それと同じで、「1000万円払ってでも、子供を志望校に合格させたい」と考える親なら、塾に100万円払うくらい余裕です。
現代日本で儲かるのは、ニーズ満たし型ビジネスではなくウォンツ創出型ビジネスです。
マーケティング初心者は、よく覚えておいてください!
ウォンツ創出の例として将棋ビジネスを考えてみよう!
ここで、ウォンツ創出の例として「将棋ビジネス」について考えてみましょう。
2017年ごろ、史上最年少棋士・藤井聡太の登場により、日本で空前の将棋ブームが起きました。
当時、将棋本や関連グッズは売れに売れまくり、品切れを起こしました。
各地の将棋教室は、入会希望者が多すぎて、何ヶ月も順番待ちになったそうです。
なぜそんなことが起きたのか?
その理由は、日本に「ニーズ」が生まれたからではありません。
実は、メディアによって「ウォンツ」が創出されたからです。
人々は「生活に将棋が足りない(=ニーズ)」から欲しがったのではなく、「藤井聡太のような状態になりたい(=ウォンツ)」から欲しがったのです。
こういう時に適しているのは、ウォンツ創出型のビジネスです。
つまり、「藤井聡太のようになりたい」という人々のウォンツを刺激して、顧客を囲い込むのが最善策です。
たとえば、将棋教室に「藤井聡太養成コース」を設ければ、親は高い授業料を払ってでも、子供に習わせたいと思うでしょう。
「100万円払ってでも、子供を藤井聡太みたいにしたい」と思う親なら、10万円くらいなら余裕で払います。
「1000万円払ってでも、子供を藤井聡太みたいにしたい」と思う親なら、100万円くらいなら余裕で払います。
まとめ
今回は、マーケティング初心者向けにニーズとウォンツの違いを解説しました。
現代日本で本当に儲かるのは、ニーズ満たし型ビジネスではなくウォンツ創出型ビジネスです。
とても重要なので、ぜひ覚えておいてくださいね。
ニーズは、〇〇が足りないから欲しいという状態。
ウォンツは、〇〇という状態が欲しいという状態。
戦後の日本は戦争に負けて日本列島全体が焦土になっていてモノが本当に何もなかったからモノが足りないから欲しいというニーズがめちゃくちゃあった。
なので物を作ればなんでもバコバコ売れた。
ただそのおかげで現代はモノが溢れかえってものに対するニーズがなくなった。
なので現代はニーズ満たし型ビジネスは儲からない。
逆に現代はウォンツ創出型ビジネスが本当に儲かる。
自分もこうなりたいという願望を意図的に創る。
人は強烈なウォンツの願望ができたら喜んで大金を出す。
ウォンツを満たすためなら本来払いたい額の十分の一は余裕で出す。
例えば100万円払ってでもウォンツを満たしたいのなら10万円は余裕で出す。