2023年10月から施行された通称「ステマ規制」により、アフィリエイトブログでは「PR表記」が必須になりました。
PR表記とは、広告であることを読者に明示するための表示のことです。
アフィリエイトブログでPR表記を怠ると、ASPから広告の提携解除や未払い報酬のキャンセルなど、厳しいペナルティを受ける可能性があるため、注意が必要です。
この記事では、ステマ規制の基本から、PR表記のルールや具体的なやり方までを初心者にもわかりやすく解説します。
また、人気のWordPressテーマごとのPR表記の設定方法も詳しく紹介します。
PR表記やステマ規制について正しく理解し、安心してアフィリエイトブログを運営したい方は、ぜひ参考にしてください!
詳しい目次
ステマ規制とは?
ステマ規制とは、2023年10月の景品表示法の改正により導入された、「ステルスマーケティング(ステマ)」を禁止する法律です。
ステマとは、消費者に広告であることを隠し、中立な第三者を装って商品紹介や口コミを行う広告手法です。
たとえば、インフルエンサーが企業からお金をもらっているのを隠して、商品を絶賛する投稿を行なった場合、ステマに該当します。
ステマは消費者を欺き、正しい判断を妨げるため、大きな問題があります。
ステマ規制の背景と目的
なぜステマ規制が始まったの?
その理由は、近年、多くの企業が売上を伸ばすためにインフルエンサーに対してステマの依頼を行なっていることが、社会問題になっているからです。
消費者庁の2022年の調査によると、41%のインフルエンサーが広告主からステマの依頼を受けた経験があると回答しています。
こうした問題を背景に、景品表示法が改正され、ステマ規制が導入されました。
ステマ規制の目的は、以下の3つです。
- 消費者が広告であることを認識できるようにし、情報源を判断しやすくすること
- 消費者が正しい選択をしやすい環境を作ること
- 事業者の倫理的な責任を明確にすること
わかりやすく言うと、消費者を守るためにできたのがステマ規制です!
アフィリエイトブログでPR表記は義務!
ステマ規制が始まったことにより、アフィリエイトブログでのPR表記が義務となりました。
たとえば、ブログ記事でアフィリエイト商品を紹介する際には、広告であることを明確に示さなければなりません。
ステマ規制に違反すると、どんな罰則を受けるの?
重要なポイントは、消費者庁から罰則を受けるのは「広告主」であるということです。
広告主がステマ規制に違反すると、以下の罰則を受ける可能性があります。
- 消費者庁や都道府県から再発防止を求める措置命令が出され、事業者名が公表される
- 2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される
- 法人に対して最大3億円の罰金が科される
一方、ステマ投稿を行うインフルエンサーやアフィリエイターには、国からの罰則はありません。
しかし、ASPや広告主が投稿を見て、ステマに該当すると判断した場合、以下のようなペナルティを受ける可能性があります。
- 広告の提携解除
- 未払い成果報酬のキャンセル
- 支払済の成果報酬の返還請求
アフィリエイトブログでPR表記を怠ると、ASPからペナルティを受けて、収益が激減するリスクがあります。
必ずPR表記を行いましょう!
PR表記の基本ルール
アフィリエイターがステマ規制に違反しないためには、PR表記を行う必要があります。
PR表記とは、「広告であることを明示する表示」のことです。
まず、ブログ記事やSNS投稿に共通するPR表記の基本ルールを理解しましょう。
- 広告が含まれる全てのコンテンツに必要:
PR表記は、広告が含まれる全てのコンテンツに必要です。ブログ記事、SNS投稿、動画など、どの媒体でも例外なく適用されます。 - わかりやすい文言:
PR表記は、ユーザーが広告であることを一目で理解できるように、わかりやすい文言を使いましょう。たとえば、「PR」「広告」といった言葉を使用します。 - 目立つ位置に表示:
PR表記は、ユーザーがすぐに見つけられる位置に表示することが求められます。記事の冒頭や投稿の最初に表示することが推奨されます。 - 見やすいフォントサイズや色:
表記がユーザーにとって見やすいように、フォントサイズや色を工夫しましょう。文字色が背景と同化しているものや、文字が小さすぎるものはNGです。
PR表記は、とにかくわかりやすく行うことが大切です!
ブログでのPR表記の例と位置
アフィリエイトブログでは、具体的にどんなPR表記をすればいいの?
アフィリエイトブログでは、アフィリエイトリンクが含まれる全ての記事でPR表記が必要です。
消費者庁や大手ASPが推奨しているのは、「記事のファーストビューで」「わかりやすい文言で」「見やすい文字色と大きさで」PR表記を行うことです。
たとえば、以下のように記事の冒頭でPR表記を行います。
ブログでよく使われるPR表記の文言には、以下のようなものがあります。
- 広告
- 宣伝
- PR
- プロモーション
- アフィリエイト広告
- アフィリエイト広告を利用しています
- この投稿にはPRが含まれています
- 記事内に広告が含まれています
- 本文中に広告リンクが含まれています
- 本ページはプロモーションが含まれています
- 本記事はアフィリエイトリンクを含みます
- 本ページはアフィリエイトによる収益を得ています
- A社から商品の提供を受けて投稿しています
PR表記の方法によっては、ASPや広告主から修正や変更を求められる場合があります。
その場合は、ASPや広告主の指示に従い、表現方法を変更しましょう。
ファーストビューでのPR表記はデメリットあり
消費者庁や大手ASPは、ファーストビュー(読者がページを開いたときに最初に目にする部分)でのPR表記を推奨していますが、実は大きなデメリットがあります。
そのデメリットとは、読者が記事の冒頭で広告だとわかると、すぐにページを離脱してしまう可能性があることです。
読者が記事の内容を読まずに離脱すると、アフィリエイトの収益が下がってしまいます。
また、直帰率が悪化すると、SEOにも悪影響を及ぼします。
実際に、当サイトでもファーストビューでのPR表記をテストしたところ、直帰率が10%以上も悪化しました。
記事を読まれずに離脱されるのは困る。。
このような問題を避けるためには、PR表記の位置は読者にとってわかりやすく、かつ過度に広告感を出さない場所に配置することが重要です。
当サイトのステマ規制への対策
ファーストビューでのPR表記には、大きなデメリットがあります。
そこで、当サイトでは、ステマ規制に対して以下の対策を取ることにしました。
- PR表記の位置をリード文の最後にする:
ファーストビューでのPR表記は、ユーザーがすぐに離脱してしまう原因になるため、リード文(導入文)の最後に配置しました。これにより、ユーザーは記事を読み始めやすくなります。 - PR表記はアフィリエイトリンクより前に行う:
ページの上部にPR表記を置く理由は、ユーザーが商品リンクに到達する前に広告であることを理解してもらうためです。そこで、当サイトでは、記事内のアフィリエイトリンクより前にPR表記を配置します。 - 広告主との関係を明確にする:
「プロモーションが含まれる場合があります」といった曖昧な表現ではなく、「当サイトは〇〇社のアフィリエイトプログラムに参加しています」と具体的に記載し、広告主との関係を明確に示します。 - 記事内容の公平性を宣言する:
PR表記の中で、「記事内容は公平さを心がけています」と宣言することで、読者のアフィリエイト広告に対する不信感を減らします。
具体的には、アフィリエイト広告が含まれる記事に以下のPR表記を追加しました。
※当サイトは、〇〇社のアフィリエイトプログラムに参加しています。記事内容は公平さを心がけています。
この方法により、ファーストビューでのユーザーの離脱を防ぎつつ、記事の透明性を確保できます!
WordPressブログでPR表記を実装する方法
国内の主要WordPressテーマでは、PR表記を簡単に実装できる機能が提供されています。
ここでは、主要なWordPressテーマにおけるPR表記の設定方法を紹介します。
ただし、これから紹介する方法ではファーストビューにPR表記が設定されるので、その効果や影響をよく考えてから実装することをおすすめします。
SWELLでのPR表記方法
SWELLでは、サイト全体にPR表記を設定し、PR表記が必要ない記事は個別に除外設定を行う方法が取られています。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「外観」→「カスタマイズ」をクリックします。
- 「投稿・固定ページ」→「PR表記」をクリックします。
- PR表記の表示位置や文言を設定し、「公開」をクリックします。
たとえば、PR表記の文言を「広告」に設定し、全記事の左上に表示することができます。
PR表記の除外設定は、投稿の編集画面の右サイドバー内にある「SWELL設定」や、投稿一覧の「クイック編集」で簡単に行うことができます。
CocoonでのPR表記方法
Cocoonでは、サイト全体にPR表記を設定し、PR表記が必要ない記事は個別に除外設定を行う方法が取られています。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「Cocoon設定」→「Cocoon設定」をクリックします。
- 「広告」タブをクリックします。
- 「PR表記設定」で表示位置や文言を設定し、保存します。
たとえば、PR表記の文言を「記事内に広告が含まれています。」に設定し、全記事の冒頭に表示することができます。
PR表記の除外設定は、投稿の編集画面で「PR表記を除外する」を有効にする方法や、Cocoon設定の「PR表記設定」で記事IDを入力する方法があります。
⇒参考:ステマ規制に対応するためのPR表記設定について | Cocoon
SANGOでのPR表記方法
SANGOでは、ウィジェットを使って全記事にPR表記を設定する方法が取られています。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「外観」→「ウィジェット」をクリックします。
- 「記事タイトル下(共通)」に広告表記用のブロックを挿入します。
PR表記が必要ない記事への対応は少し複雑で、カスタムフィールド機能を使って表示・非表示をコントロールする必要があります。
詳しくは、以下のSANGOの公式マニュアルを参考にしてください。
⇒参考:SANGOで景品表示法に対応する方法 | SANGOカスタマイズガイド
JIN:RでのPR表記方法
JIN:Rでは、サイト全体にPR表記を設定し、PR表記が必要ない記事は個別に除外設定を行う方法が取られています。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「外観」→「カスタマイズ」をクリックします。
- 「ステマ規制への対応設定」をクリックします。
- PR表記の表示位置や文言を設定し、「公開」をクリックします。
たとえば、PR表記の文言を「記事内に商品プロモーションを含む場合があります」に設定し、全記事の冒頭に表示することができます。
PR表記が必要ない記事では、投稿の編集画面の右サイドバー内にある「表示設定」で「景品表示法のテキストを非表示」をONにします。
⇒参考:【公式】WordPressテーマ「JIN:R」での、ステマ規制への対応方法は?
STORK19でのPR表記方法
STORK19では、カスタマイザーで全記事にPR表記を設定する方法と、タグを使って特定の記事だけにPR表記を設定する方法の2種類のやり方が提供されています。
以下は、全記事にPR表記を設定する場合のやり方です。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「外観」→「カスタマイズ」をクリックします。
- 「投稿・固定ページ設定」→「記事ページ設定」をクリックします。
- PR表記の表示位置や文言を設定し、「公開」をクリックします。
特定の記事だけにPR表記を設定したい場合は、投稿の編集画面の「タグ」入力欄に「adpr」と入力すると、記事の右上に「広告」という文言が表示されるようになります。
文言は、タグの設定ページで変更できます。
AFFINGER6でのPR表記方法
AFFINGER6では、全記事にPR表記を設定する方法と、特定の記事だけにPR表記を設定する方法の2種類のやり方が提供されています。
また、SEOへの影響を避けるために、PR表記を画像で設定することもできます。
以下は、全記事にPR表記を設定する場合のやり方です。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「AFFINGER管理」→「Google・広告 / AMP」をクリックします。
- 「広告の明記」にチェックを入れ、文言を設定して保存します。
特定の記事だけにPR表記を設定したい場合は、投稿の編集画面で「広告を明記する」にチェックを入れると、「広告」という文言が表示されるようになります。
よくある質問と回答
ここでは、PR表記やステマ規制に関するよくある質問とその回答を紹介します。
Q1:PR表記は必須ですか?
はい、必須です。
ステマ規制により、アフィリエイトブログではPR表記を行うことが義務付けられています。
PR表記を怠ると、ASPから広告の提携解除や未払い報酬のキャンセルなどのペナルティを受ける可能性があります。
使用するASPによって細かいルールが異なるため、ガイドラインをよく読み、正しい方法でPR表記を行いましょう。
Q2:ステマ規制は自分の商品も対象ですか?
事業者自身が自社のサイトやSNSアカウントで、自社の商品やサービスを宣伝する場合には、広告であることが明らかなため、ステマ規制の対象とはなりません。
ただし、以下のような場合には、ステマ規制に違反しています。
- 第三者に商品を提供し、商品を絶賛するような口コミをPR表記なしで投稿してもらう
- 社員に指示して、自社の商品をSNSでPR表記なしで宣伝してもらう
- 商品レビューサイトに、自社社員がサクラとして書き込みをする
Q3:SNSでPR表記をするにはどうすればいいですか?
SNSでPR表記をするには、各SNSプラットフォームが定めるルールに従って、広告であることを明確に示す必要があります。
InstagramでのPR表記
Instagramでは「ブランドコンテンツ」をフィードやストーリーズに投稿する際に、「タイアップ投稿ラベル」を使用することが義務付けられています。
ブランドコンテンツとは、企業やブランドがインフルエンサーに対価を支払って作成されたコンテンツを指します。
大手ASPでは、アフィリエイト広告を掲載する場合も、「タイアップ投稿ラベル」を使用することを推奨しています。
⇒参考:Instagramを使ったアフィリエイトガイド(A8.net)
X(旧Twitter)でのPR表記
X(旧Twitter)では、投稿の冒頭で「PR」や「広告」などの文言でわかりやすくPR表記を行う必要があります。
投稿の最後や、たくさんのハッシュタグの中に紛れ込ませて、ユーザーが広告だと認識できないものはNGです。
YouTubeでのPR表記
YouTubeでは、動画の概要欄の上部に「PR投稿」「PR」「広告投稿」などの文言を使って、わかりやすくPR表記を行う必要があります。
また、楽天アフィリエイトなどのASPによっては、概要欄だけでなく動画内でも広告表示を行う必要があります。
⇒参考:ステルスマーケティング規制の対応について(楽天アフィリエイト)
Q4:過去に作成したPR投稿はどうすればいいですか?
過去の投稿も見直しが必要です。
ステマ規制の施行後、過去に作成したPR投稿にも広告表記を追加する必要があります。
投稿内容を確認し、必要に応じてPR表記を追加しましょう。
まとめ:正しいPR表記でステマ規制に対応しよう!
今回は、ステマ規制とは何かや、アフィリエイトブログでPR表記を行う具体的な方法について解説しました。
正しいPR表記を行うことで、ASPや広告主からのペナルティを避け、消費者の信頼を得ることができます。
ぜひこの記事を参考に、適切なPR表記を行い、信頼性の高いアフィリエイトブログを運営していただければ幸いです。
アフィリエイトブログでの成功を目指す方は、以下の記事も参考にしてみてください。
きっと何かヒントが見つかりますよ!
ステマ対策(ステルスマーケッティング対策)→自分にはあまり関係ないと思っていましたが、今後、ブログで収益を上げることを考えると、知らなかったではすまされませんね
この「ゼロから始める ブログ起業セミナー」には とてもわかりやすく丁寧な解説がありましたので、この機会に実行させていただきます。
「ステマ規制でアフィリエイトはどうなる?対策やPR表記の方法を解説!」良く分かりました。ありがとうございました。
広告表記について分かり易い説明ありがとうございます。
自分もブログで稼げるようになりたいと思っているので
広告を貼る際にも透明性を意識してやっていきたいと思います。